六本木『マリー・アントワネット展』見どころ6点 まとめ

薔薇Other

東京・六本木ヒルズにて、10月25日(火)よりヴェルサイユ宮殿《監修》マリー・アントワネット展 美術品が語るフランス王妃の真実』が来年(2017年)2月まで開催されています。

私もさっそく行ってきました!

 

オーストリアの女帝マリア・テレジアの末娘として生まれ、14歳でフランスに嫁ぎ、ルイ16世の王妃となった後、革命の波に呑まれて断頭台の露と消えたマリー・アントワネット(1755-1793)。

その生涯を、肖像画や愛用の食器・家具・衣類など200点あまりの品々を通じて辿る展覧会です。

 

この展覧会のポイント見どころを、6点にまとめてみました。

① 日本初! ヴェルサイユ宮殿《企画・監修》

過去にもこの時代にスポットをあてた会は開かれてきましたが、ヴェルサイユ宮殿が《企画・監修》する展覧会は、日本初。

ヴェルサイユ宮殿《企画・監修》により、ヴェルサイユ宮殿でなければ見られないはずの王妃のプライベート空間「プチ・アパルトマン」などがそっくり再現可能となりました。

展覧会も日本最大規模です。肖像画や家具、当時の工芸品や貴重な資料の数々が、ヴェルサイユ宮殿より六本木へ海を渡って来ています。

 

② 史上初! プライベート空間の再現

シャンデリア

ヴェルサイユ宮殿には、中庭に面した場所に「プチ・アパルトマン」と呼ばれるマリー・アントワネットの“プライベート空間”があります。浴室・図書室・居室の3室から構成され、これが展示会場で再現されています。ヴェルサイユ宮殿の外でこの規模の再現が試みられるのは、史上初。

 

当時使われていたベッド、椅子、同時代の浴槽などとともに、壁の装飾なども含め原寸大で忠実に再現されています。居室は撮影も可能なので、カメラをお忘れなく!(腰かけての撮影などはできません。)

現在残っていない図書室は、かつての設計図などをもとにバーチャルリアリティで蘇らせています。VRを手掛けたのは、「NAKED Inc. 」です。

これにより、王妃が暮らした空間と時代を「体感」することができます。

図書室の臨場感を味わうには、ロープの際までお進みください。立つ場所によって全然違う、と思いました。

 

浴槽には布が敷かれていますが、これは当時も同様です。浴槽は銅製で熱いので、浴槽に直接身体が触れるのを防ぐ目的だったそうです。

 

NAKED Inc. 公式ツイッターアカウント @NAKED_STAFF

同社では各種イベントほか、『相棒』『砂の塔』などのドラマタイトル映像も制作しています。
NAKED Inc.:http://naked-inc.com

③ 海を越える美術品

姫

肖像画やマリー・アントワネットが最後に履いていた靴など、約200点の貴重な美術品や資料が展示されています。家具や緞帳など、素晴らしく豪華な調度品の数々は必見です。その中には日本を代表する美術工芸品「漆器」もあります。

マリー・アントワネットの母親、オーストリアの女帝マリア・テレジアは「私にとって重要なのはダイヤより漆器」と言うほど、熱心な漆器コレクターでした。
マリー・アントワネットはそのうち50点ほどを相続し、彼女自身も漆器を収集したそうです。コレクションに「日本」と命名して、大切に保管していたといわれます。革命での散逸を免れた漆器が、今回の展示会にやってきます。

200年以上の時を経て、西洋と日本を往復した「漆器」とは、どのようなものでしょうね。

 

10月10日、ヴェルサイユ宮殿美術館・国有地公団のカトリーヌ・ペガール会長はパリの日本大使公邸で会見し、次のように述べています。

「ヴェルサイユの代表的な品々を日本で展示するだけでなく、両国の文化的なつながりを強めることが、今日の私たちの役割です」
出典 :http://www.news24.jp/articles/2016/10/11/10343286.html

岩下哲典著『江戸のナポレオン伝説』によると、初めて日本に「フランス革命」が伝わったのは、1794年だそうです。「フランス革命」は1789年勃発ですから、案外早く伝わりましたね。

当時の日本は鎖国をしていてオランダとしか交流がありませんでしたから、情報もオランダ経由でした。

ただし内容は「臣下が徒党を組んで国王並びに皇太子を弑し、国中が混乱に陥った」と記されているのみで、「革命」の「か」の字も出てきません。

④ 今年(2016年)明らかになった新事実

羽根ペン

マリー・アントワネットの恋人だったと言われる、スウェーデン人将校フェルセン伯爵。二人の仲については、「騎士道精神を外れない」という説から、「ふたりは深い仲だった」というものまで、様々。

実際のところはどうだったのか、事実が記されていたはずのフェルセン伯爵の日記は焼却されてしまったため、現在まで「」とされています。

今も残されている、二人が交わした書簡には、暗号が使われ、ところどころ黒く塗りつぶされてしまっています。しかし2016年1月、その一部解読に成功したのです。

 

会場には、2人が使った暗号表の「実物」が! そして墨塗りの手紙の複製が展示されます。

私が行った時には、これらが展示されているガラスケースの前は人だかりができていました。

⑤ 豪華キャスト「配役付」音声ガイド

美術展の音声ガイドといえば、普通は「教育番組」のような解説を思い浮かべるでしょう。ところが、今回の音声ガイドは以下の豪華な配役によるものになっています。

現代との橋渡しを木村佳乃さん。マリー・アントワネット役に花總まりさん。そして語り役、フェルセン役に、声優の平川大輔さん。

 

「マリー・アントワネット展」音声ガイド出演のお知らせです
音声ガイドでは、ナビゲーターを木村さんが、マリー・アントワネットを花總さんが、フェルセン伯爵他、解説の一部を平川が担当致します。
マリー・アントワネットがお好きな方、この時代のファッションや装飾に興味のある方、この機会に彼女の生涯に触れてみようと思われた方も、ぜひ足をお運び頂ければと思います。

出展:平川大輔オフィシャルブログ2016年09月28日

配役アリとはいえ、すべて「王妃自身が実際に残した言葉」で語られます。BGMにもこだわり、当時王妃が聞いたであろう楽曲が厳選されています。オープニングからエピローグまであり、ドラマのような構成になっています。

また、音声ガイド利用者には特製ブックマーカーがプレゼントされます。予定配布枚数に達し次第終了なので、気になる方はお早めに!

⑥ コラボグッズが盛りだくさん!

会場でしか手に入らないコラボグッズの数々です。

お茶セット
・パティスリーメゾン「ラデュレ」限定マカロン

パリの老舗パティスリーメゾン「ラデュレ」。ソフィア・コッポラ監督の映画『マリー・アントワネット』でスイーツの監修をしたのもこちらです。

展覧会限定のピンク色が可愛らしいマカロン、ローズ風味のお菓子です。

また、会場では装丁が美しい「マリー・アントワネット」コレクションのボックスに入ったマカロン、ボンボンショコラ、キャンドル等も、世界に先駆けて特別販売されます。中身は決まっていて、自由には選べないようです。(店員さんに質問している方も何人かいました。)

 

・あめやえいたろう「Sweet Lip」

リップグロスのような「飴」です。3本セット。(残念ながら完売だそうです)

「あめやえいたろう」は、安政四年創業の老舗和菓子店。「榮太樓飴」という文字に見覚えのある方もいるのでは?

有平糖をベースにした「みつあめ」がチューブに入っていて、グロスのようになっています。 その昔、江戸の娘さんはグロスの代わりにあめを唇に塗っていたという説もあるそうです。

 

・ビスケット「マリー」限定パッケージ

森永製菓株式会社より、マリー・アントワネットの肖像画が印刷された限定デザインのパッケージ版「マリー」ビスケットが販売されます。

ネットでは「ベタだけどそれがいい」という声も(笑)

 

・リラックマ×マリー・アントワネット コラボグッズ

最初の感想は「意外!」としか(笑)

リラックマとコリラックマがマリー・アントワネットに、キイロイトリは国王ルイ16世に扮して、メモパッドなど各コラボグッズに登場します。ほかのグッズに比べて手に取りやすい価格だと思います。

 

・展示会開催記念コミック&書籍
会場限定ではありませんが、開催記念として関連書籍も発行されています。惣領冬実さんによるコミック『マリー・アントワネット』はよく売れている様子でした。(私も買いました)

 

・食事もコラボ

六本木ヒルズ内の各飲食店では、展覧会コラボメニューが提供されています。特にスイーツに力が入っていますね。ただしお財布と相談の上……、って感じです(笑)

 

会場ではその他、オリジナルの食器やマスキングテープなどの雑貨も販売されています。

 

 


以上、6点ほど見どころポイントを挙げてみました。

大変、大きな規模で展開される展覧会企画ですので、人によって見どころも変わってくるかと思います。あなたなりの「楽しみ方」をぜひ、見つけてみてください。

 

◆ 開催概要
開催期間:2016年10月25日(火)〜2017年2月26日(日) ※会期中無休

会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ 森タワー52階)

開館時間:10:00〜20:00
     ※火曜日および10月27日(木)は17:00まで。
     ※入場は閉館の30分前まで。

観覧料:一般 1,800円、高校・大学生 1,200円、小・中学生 600円
    ※小学生未満は入館無料。

※全て税込価格。

さいごに

展覧会のキャッチコピーは「波乱の一生。その、すべて。

この文章の通り、華やかな王宮での生活から断頭台に上るまで、彼女の37年の生涯を想わせる様々な展示品や仕掛けが用意されています。まさに「マリー・アントワネット展の集大成」と呼ぶにふさわしい展覧会です。

 

音声ガイドを聞きながら見進める方が多いので、会場内の人の流れはゆっくりめです。来場者は女性が多めでしたね。時間に余裕をもって訪れた方がいいと思います。

ドレスコードみたいなモノはもちろんありません。が、「ちょっとドレッシー」なお洋服の方が多いかなぁという印象でした。(私も一応スカートで行きましたしね!(笑))

 

稀代の悪女」とも「悲劇の王妃」とも呼ばれたマリー・アントワネット。本当の姿はどのようなものだったのでしょうか。少しでも興味のある方には、見逃せない企画と言えるでしょう。


公式リンク:ヴェルサイユ宮殿《監修》 マリー・アントワネット展

http://www.ntv.co.jp/marie/



※ 当記事は、10月25日付でSpotlight上にて公開した内容に加筆・修正を加えたものです。Spotlight記事は削除させていただきました。



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