WHO「ゲーム障害」を国際疾病として正式に採択、を見て

最初に。現在依存で苦しんでおられる方々には、不快な内容が含まれているかもしれません。恐れ入りますが、ご了承の上、ご覧ください。

世界保健機関(WHO)は5月25日、世界保健総会にて、2022年1月1日に発効する「国際疾病分類(ICD-11)」の第11改訂を採択しました。

これをもって、ほぼゲーム障害」(ゲーム依存症)が疾病と認定されたことになります。

WHOが「ゲーム障害」を国際疾病に正式認定。中毒性の高さを問題視

「AUTOMATONより」

(このニュースは、他にも日経などで取り上げられていますが、ざっと検索したところ、きちんとWHOのICD-11へのリンクを貼ってある記事が上記しか見当たらなかったのでこちらを……。)

当記事でも、以下にWHOの「ゲーム障害」の定義を貼っておきます。

6C51.0 Gaming disorder, predominantly online

Gaming disorder, predominantly online is characterized by a pattern of persistent or recurrent gaming behaviour (‘digital gaming’ or ‘video-gaming’) that is primarily conducted over the internet and is manifested by:
1.impaired control over gaming (e.g., onset, frequency, intensity, duration, termination, context);
2.increasing priority given to gaming to the extent that gaming takes precedence over other life interests and daily activities; and
3.continuation or escalation of gaming despite the occurrence of negative consequences. The behaviour pattern is of sufficient severity to result in significant impairment in personal, family, social, educational, occupational or other important areas of functioning.
The pattern of gaming behaviour may be continuous or episodic and recurrent. The gaming behaviour and other features are normally evident over a period of at least 12 months in order for a diagnosis to be assigned, although the required duration may be shortened if all diagnostic requirements are met and symptoms are severe.

ソースはこちらです。

私、正直この「ゲーム障害」のニュースを見る度モヤモヤするのですが、なぜかというと……。

ゲーム障害」は「精神障害、行動障害または神経発達障害(←機械翻訳)に含まれます。

でも、精神障害の診断ってそもそも難しくない?」という気持ちが根底にあるからです。

医師、医療への去り難い不信感、と言ってしまってもいいかと思います。

国民健康保険がある日本ではあまり報道されない気がしますが、アメリカでは医療詐欺が深刻な社会問題となっています。日本でも残薬の問題とかありますけど。

つまり、医療というのは莫大な利益を生む大きな市場です。

今苦しんでいる方々には大変申し訳ないのですが、今回のWHOの決定で、「利を得る人たち」が必ず存在するはずです。

一方で損をする人もいるわけで、これはもうはっきり反対を表明している「ゲーム業界」の方々でしょう。

こういうパワーゲームの影響も、今回の結果には少なからずあろうな、と思ってしまうからです。

以下が、WHOが5月25日に発表したニュースリリースです。

World Health Assembly Update, 25 May 2019

その中に、こういう一文があります。
Member States noted that ICD-11 has been produced in a transparent and collaborative manner.

transparentは「透明な」という意味。つまり「透明性がありますよ」というわけです。

一方、この発表に先立ち、コンピュータエンターテインメント協会と日本オンラインゲーム協会、モバイル・コンテンツ・フォーラム、日本eスポーツ連合の4団体が声明を発表しました。

ゲーム障害に関する調査・研究の取り組みについて

この中には「科学的な調査研究に基づく効果的な対策を模索することを目的に、公正中立で専門性を持つ外部有識者による研究会(代表:坂元章)に、調査研究の企画や取りまとめを委託することとなりました」という文章があります。

注目点は「科学的」と「公正中立」です。

このような文言をわざわざ各文書に加えなければならないほど、「この制定には問題点が存在する」という事実を浮き彫りにしている、と感じます。

過去記事でも触れましたが、「ゲーム障害」を疾病とするには「科学的な根拠に乏しい」という批判は以前からありました。

「決定までの経緯に透明性がない」ことも問題点として挙げられています。制定にかかわったメンバーに問題がある、という人もいます。

過去記事の繰り返しになるので詳細はそちらで……。

関連記事

WHOがゲーム障害を精神疾患に、のニュースを調べてみた【追記あり】

「ゲーム障害」の報道に不満があったので

そしてもう1つ、モヤる原因として。「ずいぶんゲーム障害を都合よく混同しているな」と感じる場合がままある、という点。

たとえば「インターネット依存症」とか「スマホ依存症」とか、疾病の範囲を勝手に拡大している記事の多いこと……。

まぁ、針小棒大というか、マスコミにありがちなことですけれどもね。

たとえ「疾病」と認められていなくても、問題だったり大変だったりすることはもちろん理解できます。

それから、ガチャ(ルートボックス)に触れているコメントもたくさん見かけますが、個人的には「ガチャはギャンブル依存症では?」と思うのです。

同じICD-11に、「Gambling disorder, predominantly online(ギャンブル障害、オンライン)」の項目がありますので、定義はそちらを。

また、「躁状態の顕現ではないこと」という注意書きもあるそうです。つまり、「躁うつ病」の症状のひとつなので「ギャンブル障害」ではないですよ、間違えないでね、ということらしいです。

色々検索していましたら、「ゲーム依存が自閉症のあらわれのひとつ」と疑われる例もあるようです。

……「ゲーム障害」と「ギャンブル障害」と「ほかの精神疾患」の区別、難しくないですか?

「定義があやふや」「診断が難しい」と「ゲーム障害」を疾病にすることに反対している医師もいます。

素人考えですが、「誤診」により「間違った治療(主に投薬)」をしてしまったり、元の病気が悪化してしまうケースが怖いな、と思うのです。

いずれかの「疾病」と認定されることで救われる人は存在するとは思います。「病気」ということで「治療」に入れるわけですから。

病気の自覚が無かった人でも、治療しよう、自助グループに参加しようという気にもなるかもしれませんし。

どちらかといえば、周囲の理解と手助けが得られるようになって助かるのは、本人よりも家族かもしれませんしね。

ただ、安易に「診断が下る」ことへは心理的な抵抗を覚えます。「WHOの決定だから絶対的に正しい」と思い込んでしまったり、マスコミに記事にのって騒擾するのもちょっと危うい気がします。

色々な思惑や問題が今現在進行形で存在することは、頭の隅にとどめておきたい……と思うのです。

今回は、ここまで。

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