2月12日から14日にかけて、Steam版BLESSのゲームディレクター、Jae-hoon Jeon氏のインタビュー記事が、海外の各ゲーム情報サイトに掲載されました。
掲載日順に、4つの海外ゲームサイトのインタビューを元に、おおまかな内容と個人的な注目点、感想を記事にまとめたいと思います。
どうも私には、今日本で行われている「リビルドバージョン」がSteam版開発陣にとってどういう位置づけなのか、どの記事を読んでもピンとこなかったので以下は「期待値」込みの内容とお考えください。
Steamコミュニティには「RebuildのバージョンはSteamでリリースされるものに近いです。しかしSteam版にはさらに多くの変更点があります」という開発チームからの投稿があります。
また、以下は機械翻訳を介して意訳し引用したモノなので、正確性については保証できません、ご了承ください。
MMORPGより(2月12日掲載分)
こちらの記事では主に、BLESSの「改良」「改善」について触れられていました。
改良の最優先事項は「戦闘システム」と語っています。
ダイナミックな戦闘システムを提供するため、モンスターの外観、HP、AIを等級とレベルに応じて再設計しています。
PvP、PvEにおいて戦略と戦術の幅が広げられるようにスキルシステムも再構築しました。
プレイヤーが自分のスキルを様々な方法で使用できる新しいシステムに取り組んでいます。
現在行っているのは「既存の機能の改善」と「新しい機能の追加」の組み合わせ、とも言っています。
ユーザーがゲーム内に「生きた世界」を感じられるようにしたい、しかし安定したサービス環境が最も重要であるので、日本や韓国で見られる一部オブジェクトとNPCをSteam版BLESSでは削除した、とのこと。
現行のサービス内容とSteam版では内容が異なるそうです。
BLESSの世界を生き生きとさせるための様々な取り組みをテストしています。
Steamのアーリーアクセスは、オーブンベータのようなものになります。変更は正式サービスまで及んでいきます。
このようなインタビュー内容になっていました。これから始まるSteam版BLESSが、日本や韓国の現行バージョンとは若干「違う」らしいことは分かりますが、「どれほど違うか」は、まだ分かっていません。
Massively Overpoweredより(2月12日掲載分)
こちらの記事では主に、韓国版BLESSとの違いやビジネスモデルについて触れられていました。
記事の冒頭、BLESSが2011年には登場し、それから長くユーザーを待たせていることに触れ、結果「黒い砂漠」や「A:IR」がライバルになってしまったと書かれています。
そのような現状を、Steam版BLESS側はどう打開するつもりでいるのでしょうか。
BLESSを差別化する重要な要素のひとつは「戦闘システム」です。
プレイヤーは、同じ装備、同じレベルでも、各々独自の戦闘スタイルと戦闘モードを持つことができます。
他タイトルとの差別化要素として更に挙げられているのは「ペットシステム」と「大規模戦闘」です。
このあたり日本サービス前にもPRポイントとして触れられていたので、正直特に目新しさはないのですが、「海と空の戦場で行われる大規模なPvPシステムがある」とも語っていて、これは日本には(韓国にも)まだ存在しない要素です。
このコンテンツについては、遠からず、もっと情報が出てくるようです。
また、「韓国版BLESSとどの程度違うか」についても触れられていました。
「Steam版BLESSには韓国版BLESSで利用可能なすべてのコンテンツが含まれている」とし、「韓国版にはまだ無い、大幅に改善された内容と機能もSteam版には含まれてる」と回答しています。
Steamバージョンの機能の一部は、韓国と日本のゲームバージョンで実装する前に、全世界のユーザーが利用できるようになります。私たちの目標は、最終的には、Steamでの発売後、しばらくして、すべてのバージョンのゲームをコンテンツと機能の面で見比べることです。
これは重要な点です。
この文章から判断すると、どうやら今後は、Steam版BLESSを「最新版」にするようです。韓国と日本版BLESSには、Steam版でアップデートが行われた後、ローカライズが来る、という順序になりそうです。
別のインタビューに書かれていたことですが、Steam版BLESSを日本(と韓国)でプレイすることはできないようです。
なお、「収益モデルについてはまだ最終的に決定していないが、B2Pに最も傾いている」と語っているので、Steam版は月額制になると予想されます。
wccftechより(2月13日掲載分)
おそらく、最も欧米ユーザーの注目を集めたのがこちらの記事です。なぜなら、このインタビューでSteam版BLESSアーリーアクセスの期間が明らかになったからです。
「MMORPGファンは近年、このジャンルが古臭くて不毛であることをよく認識している」とこの記事では書き出しています。
World of Warcraftの成功を後追いするあまり、西洋の開発者は大ヒットゲームの制作を辞めてしまった。
そして最近では、大規模な韓国産MMORPGが欧米で台頭しており、その一つがBLESSである、と述べられています。
BLESSのゲームディレクター曰く、ゲームを磨き、安定させるには時間と資源が必要、とのこと。フルリリース前のアーリーアクセスの期間は「約6か月」。ソフトローンチのようになるので、アーリーアクセス参加者のデータはワイプされない、とも語られています。
ゲームの安定性と最適化のために継続して取り組んでいきます。現在はUIの読み込み速度とゲーム中の突然のFPS低下の改善に懸命に取り組んでいます。
これがRvR、大規模PvPにとってどれほど重要であるかを考えてオーバーホールしています。
新しい戦闘システムでは、動きのアニメーション、グラフィックが変更されます。
Steam版は北米と欧州以外の地域でのロックを計画していません。しかし、既存のパートナーが存在する特定の地域は例外です。
「シーレンやイブリス(イブリース)、フェイダン種族の導入予定は?」という質問には、「2019年初頭に新種族のアップデートをリリースする予定」と回答しています。
ただし、変更する可能性もある、とのこと。
「プレイヤー間の直接取引はできるか?」という問いには「現在はできないが、多くのプレイヤーがオークションを仲介しない取引を望んでいるので、真剣に検討している」としています。こちらに関しては別の開発メンバーが「おそらくSteam版では実装されるのでは」とも回答しています。日本の場合、プロデューサーが「プレイヤー同士の直接取引は絶対実装しない」と言っていましたけれどもね……。
「ハウジング要素を今後導入する予定はあるか?」という質問には「はい、ハウジング機能を設計しています」と答えています。
しかも「それは常に私たちSteam版BLESSチームの目標であり、今後詳細な開発情報を提供します」とも述べられています。
日本サービス開始前に「ハウジング要素の優先順位は低い」と語っていたのは一体何だったのか、と思いますね。
また、サービス開始後に「新しい20人用と40人用のレイドを追加する予定」があり、「高レベル向けのオープンフィールドPvP」「15人vs15人」「10人vs10人」のPvP、その他に大規模戦闘PvPも用意している、としています。
更に新しいコンテンツを追加する計画もあり、設計もしているが、まだ明らかにすることはできない、とのことです。
コンソール版BLESSへの投資も行っているが、具体的な発表は無い、そうです。
mmocultureより(2月13日掲載分)
この記事では主に、BLESSの開発計画の方向性と、短期および長期の目標について触れられていました。
BLESS開発陣は、あるチームは既存のコンテンツの改訂や改善を行い、別のチームは新規コンテンツの開発を行っている、そうです。
今後の開発計画としては
・安全な環境で基本的なチュートリアルを提供する初心者ゾーンの作成
・戦闘システムの変更(戦闘状況や選択に応じてよりダイナミックに)
スチームバージョンのスキルと戦闘システムは、これまでトレーラーで見たものとはまったく異なっています。
このように語っているので、かなり変更がありそうです。
・従来のスキルビルドに加え、プレイヤー増加によって戦闘効率を向上させるシステムの実装
・新しい狩猟エリアや新しい戦場の追加
だそうです。
短期的な目標は「キャラクターのクエスト進行と戦闘の改善」、長期的な目標は「空と海での大規模な戦争コンテンツの実装」とのこと。海上戦となると船を実装しないといけないでしょうし、空での戦いとなると飛行ペットを使った空中戦になるのかと思います。
飛行ペット、なかなか実装されませんね。使役型ペットもまだ日本に来ていませんし……。
Steam版BLESSの開発は70%完了している。Steam版BLESSは、最初のうちは日本版や韓国版と違うが、5~6か月で最新コンテンツを提供できるだろう、と述べられてもいます。
面白かったのは以下の質問です。
「プレイヤーは日本サーバーのローカライゼーションに非常に感銘を受けました。日本版ボイスのパッケージを入手することはできますか?」
日本のボイス、海外ユーザーに評判良かったようです(笑)
しかしこれに対しては「技術的な問題で出来ません。英語版ボイスを制作中です」と回答しています。レコーディング現場の動画もアップされていました。
さいごに
さて。
私自身昨年の日本CBT1から繰り返し「今のコンテンツでは不十分」「ハウジング要素は絶対に必要」と書き送ってきましたし、「直接取引できるようにしてほしい」という声は日本のユーザーからも数多く寄せられていました。
しかし、それらが開発に反映されることは無く、日本サービスは始まりました。
かろうじて「人間版マスク」が実装されたのは幸いと言えます。
が、正直に言えば「……で、結局今頃になってこのザマか」という気持ちです。「今アピールしているあれもこれも、日本サービス開始前に散々要望を出していた事じゃないか」と思います。
先日、日本で実装されたスウィート武器アバターのSSが、Steam版BLESSコミュニティの「バレンタインメッセージ」に利用されていました。
以下、日本版BLESSで実装された課金アイテム「スウィートボウ」アバターです。
このあたり、Steam版と日本版との「連携」を感じさせなくもありません。
しかし、ユーザーフレンドリーな運営を、と語っていたはずの日本運営箕川プロデューサーは何か月も沈黙したままです。
Steam版BLESSがいつ来るのか、それが来るまで日本版BLESSをどうするつもりなのか、そしてSteam版BLESSと日本版の関係はどうなるのか。
これらを知ることは、「各々のプレイヤーがBLESSを楽しく遊ぶ」のとは、また「別の話」です。
海上戦や空中戦の構想は素晴らしいですが、そこまで日本サービスが持ちこたえられるものか……。
毎週課金を促すイベントを開催する以上、日本の運営には、サービスを提供する営利企業として、日本の顧客への説明をきちんと行って頂きたいと思っています。
以上です。
参考にさせて頂いた各ゲーム情報サイト
(すべて英語です)
MMORPG
Interviews: How Bless Aims to Be A Realm Reborn
Massively Overpowered
BLESS ONLINE INTERVIEW: SOFT LAUNCH PLANS, WHY GAMIGO BOWED OUT, AND AVOIDING PAY-TO-WIN
wccftech
※ 私の環境では、上記記事を閲覧するとセキュリティソフトによる警告が表示されます。
mmoculture
Bless Online – Epic interview with developer Neowiz on game features and changes
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