【BLUE PROTOCOL】ブルプロのコンセプトとゲームAIについて

サムネBLUE PROTOCOL(ブルプロ)

BLUE PROTOCOL」(ブループロトコル)クローズドαテスト後、昨年2019年9月に4Gamerやファミ通など、各社ゲーム情報サイトにて開発者インタビューが公表されました。

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【BLUE PROTOCOL】開発者インタビューおさらい

そこで触れられていたのが「BLUE PROTOCOL」の2つのコンセプトです。

「劇場版アニメに入り込んだようなセルルックグラフィックスで異世界を楽しむ」

「バトルコンセプトはパーティvsパーティ」

言葉はそれぞれですが、まとめるとこんな感じ。

一つ目のコンセプトは、まあ、絵を見れば、全体ではないにせよおぼろげに理解できると思います。

アステルリーズCBT

今回は、二つ目の「バトルコンセプト」について、少し情報に触れていきます。

これは「パーティvsパーティ」を、人ではなく対MOBでやろう、というものです。

(ブルプロでは基本、ダンジョンでは6人PTです)

PvPの団体戦であれば、当然ヒーラーが真っ先に狙われます。次は高火力でも紙装甲の魔法職あたりでしょうか。

たとえば「こいつの状態異常ウザいな、まずこいつから」とかなると思います。

ブルプロではゲームAIを導入したモンスターが、そのように、相手の弱点や周囲の状況を判断して戦う形になります。

あたかもPvPで闘う時のような動きをするAIの導入」によって、あらかじめ予習してその通りに動くのではなく、どうしたら勝てるのか、「その模索に楽しさを見出して欲しい」というものです。

これはCaTでは、未だ導入されていませんでした

なぜなら、MOBのAIが賢すぎてプレイヤーが全滅するからです。

あまり強すぎても楽しくないだろう、ということで、このあたりは調整が行われて、CBTからは導入されてくる予定だと思います。

 

さて。

その「BLUE PROTOCOL」のゲームAIに携わっているのは、バンダイナムコスタジオの長谷洋平さんです。

ブルプロのCaTよりも前、2018年の時点での記事が、以下になります。

「ゲームの外のAI」が開発コスト削減の鍵 / デバッグやバランス調整、品質管理の自動化が進むゲームのこれから [CEDEC 2018レポート]

「CEDEC 2018」が開催された2018年9月の段階では、まだ諸々明らかにできなかったようですが、面白く読ませて頂きました。

業界に入って一番最初に配属され、AIを担当されたタイトルは「Ace Combat」だったそうです。その後「鉄拳」、「TIME CRISIS5」、そして現在は「ブループロトコル」リードAIプログラマ、ということのようです。

 

それから約一年を経てCEDEC 2019の記事が以下です。

AIの機械学習の進歩は、いかにゲーム開発や体験にインパクトを与えるか?その現状と未来の展望【CEDEC 2019】

こちらはパネルディスカッションですが、AIとその周辺は一年前とは比べものにならないぐらい変わった、そうです。

なかなか苦戦されているご様子……。

正直読んでも「よく分からない」というのが本音ですが(汗)、「プレイヤーにあわせたレベルの自動生成」というものがありました。

この理解で合っているかどうかわかりませんが、強い相手には強いMOBが、弱い相手にはそれなりのMOBが沸くのだとすれば、従来のような「攻略」は役に立たないだろうなぁ、と思います。

 

同じく「CEDEC 2019」より、もうひとつ。

【CEDEC 2019】『BLUE PROTOCOL』に盛り込まれた画期的なAIによる意思決定システム! 個性的な敵キャラを生み出すために必要な一貫性と即応性

これはもう、本当に上の記事を実際に読んで頂きたい、と思います。専門的すぎて難しい……。

でも戦闘に興味のある方は読まれておくといいかもしれません。

たとえば。

プレイヤーとMOBが中距離で相対峙した時、MOBは攻撃の当たる位置まで移動します。

この時の移動方法の選択肢として、「徒歩」「バックステップ」「サイドステップ(左)」「サイドステップ(右)」などがあり、状況に応じて適切なアクションを選択するよう、AIが判断します。

また、敵にもコンボ攻撃がありますが、コンボをそのまま撃つのか、それとも止めて別の動きをするのか、条件によって複数の攻撃を使い分けるようにする、というものもありました。

攻撃だけではなく、回復も同様で、毒ダメージをくらった場合は回復に専念するなど、エネミーが「いやらしい」行動をとるようです。

それから、「『BLUE PROTOCOL』では、複数のキャラクターを動かすにあたり、集団を指揮するAIが個々のAIを階層的に管理するようにし、AIにヒエラルキーを設けている」そうです。

 

2つのコンセプト、柱のひとつである「ゲームAIによるバトル」。

「PvPでの戦闘の楽しさを感じさせることは、ゲームAIを導入したMOB(PvE)でも可能」という、(野心的な?)お考えのもと、日々、開発が進められているのではないでしょうか。

前の記事にも書きましたが、公式が「なぜPvPの導入に積極的でないか」の答えのひとつは、ここにあるではないかと思います。

それでは、今回はここまで。



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