ちょっと前の話になりますが、昨年2019年9月、「BLUE PROTOCOL」(ブルプロ)のクローズドαテスト後、各ゲーム情報サイトで一斉に開発者インタビューが掲載されました。
すべての記事で「少しずつ」内容が違いますので、全部読み直しました。
当時のインタビュー掲載記事のリストとリンクを載せておきます。
開発者インタビュー リンクまとめ
4gamers
「PROJECT SKY BLUE」の中心となる新作オンラインアクションRPG「BLUE PROTOCOL」。そのキーマンの3人にインタビュー
inside gamespark
『BLUE PROTOCOL』開発者インタビュー!目指すのは「アニメの中に入り込む体験」と「コミュニケーションが生まれる楽しさ」
『BLUE PROTOCOL』開発者インタビュー!目指すのは「アニメの中に入り込む体験」と「コミュニケーションが生まれる楽しさ」
https://www.gamespark.jp/article/2019/09/05/92756.html
※ 上の2つは同じ内容です
電撃オンライン
αテスト版にしては出来がよくて勘違いされている!?『ブループロトコル』開発者インタビュー
ファミ通
『ブループロトコル』酔狂なプロジェクトに主要スタッフも思わず「頭おかしいんじゃないの?」バンダイナムコがPCオンラインゲーム開発に心血を注ぐ理由
『ブループロトコル』新クラスや新スキルは? つぎのテストは? 料金体系は? スク水は? 開発・運営者に気になることをぜんぶ訊く!
onlinegamer
「ブループロトコル」は敵にAIを導入し疑似PT戦が楽しめる作品に!制作秘話やCATの感想などをインタビュー
感想など
以下は、インタビューを拝読しての感想とかまとめとかです。
気になった部分のみですので、ほか、クラスやスキルについて、CaTの反応について等々……はここで触れてません。上記リンクなどよりぜひ記事をご覧ください。
開発者メンバー
インタビューに回答されていたブルプロ開発者3名。今、公式生放送「ブルプロ通信」に登場されているお三方です。
エグゼクティブプロデューサー 下岡聡吉さん
中央。「PROJECT SKY BLUE」全体のプロデューサーです。この企画はこの方のプレゼンから始まりました。
運営統括ディレクター兼プロデューサー 鈴木貴宏さん
向かって左。「BLUE PROTOCOL」のイベントやお知らせ、マネタイズなど企画・運営を担当されています。客からのフィードバックをまとめているのもこの方です。
開発統括ディレクター 福崎惠介さん
向かって右。複数ディレクター制なので、その最終的な統括をされる方。ゲームの方向性を判断される方です。
以降は非常にフランクで申し訳ないのですが「さん」付けでご紹介させて頂きます。
PC向けオンラインゲームにした理由
ブルプロの開発は5年前(2014年)から始まっています。スマホゲー全盛だった頃ですが、「PCオンラインゲームを制作できるメーカーは少ない」「いずれ輸出を前提にした国産の新しいタイトルが求められる」という想定の下、プロジェクトはスタートしました。
ブルプロは当初主人公も考えられていた
下岡さんは当初、コンシューマゲームのように主人公が存在する形を考えていた、とのこと。
ただし開発側からアバターを推す意見が出されており、最終的には「オンラインゲームなら馴染みの名前や自分の作ったキャラクターで遊びたいだろう」とのことで、現在の形になったそうです。
アニメ調のグラフィックスについて
E3 2014で「ゼルダの伝説」が公開され、日本らしいゲームが現地で熱狂的に受け入れられているのを見て、「劇場版アニメの中に入り込むような体験ができるタイトルにしよう」と決まったそうです。
これがこのタイトルの基本コンセプトのひとつめです。
たしかに、この時のゼルダは国内外で大変な高評価だった記憶がありますね。
国産でやるなら「日本アニメ(ジャパニメーション)と一目で分からなければ輸出で勝負するも何もない」とのことで、Pixarのようなものではなく、セルルックなビジュアルになったそうです。
なお、セルルックなキャラメイクに関しては特許も出されているとのこと。
ちなみに下岡さんがもっとも時間を費やされたゲームは『FF11』だそうです。
(E3はElectronic Entertainment Expoの略で、ロサンゼルスで開催される世界最大のコンピューターゲーム関連の見本市です)
ただし、アニメの手法とゲームの手法を混在させる点ではかなりご苦労もあったようです。「アニメではこんな動きはしない」と開発が叱られることも……。
ショップ店員(NPC)に呼吸モーションが無いのも、そういう理由から。
ゲームに馴れていると、今更違和感無いのですが、それではやはり「ゲームをしている」感覚であって、目的とする「アニメの中に入り込んだ感覚」ではない、ということでしょうね。
もっとも、今後オプションで「アニメ調からもっとゲーム寄りにカスタマイズできる」仕様も考えられているそうです。
メディアミックスについて
上の部分と被りますが、オンラインでPC同士が遊んでいると、NPCの影が薄くなる。そこで「アニメ、コミック、小説、または外伝的なソフト……どの形になるかはまだ不明」だが、「世界観とNPCの物語を補完したいと考えている」とのこと。
ゲームでもメインNPCが30人以上になるそうです。
作品の世界観やNPCの背景はきっちり作り込んでおり、「あらゆるメディアを使って提示していく」と。
ただし「しっかりとしたクオリティで提供したい」とのことで、「どこかと組んでパッとアニメを作る」ことはしないそうです。
アクションRPGとMOとMMOについて
ゲームの方向性を決めるまでに2年かかったそうです。その間には、よくあるコマンド入力型のMMOやゴリゴリのPvPも検討されたとのこと。
私も混乱したのですが、公式ではブルプロを「アクションRPG」と言っており、MOともMMOとも言っていません。
これは「MOやMMOというジャンル分けから生じる先入観を入れないため」。
「これならこういうものだろう」という予測ナシに、全く新しいゲームとしてフラットに見て欲しい、ということだと思います。
が……プレイヤーにそこまで高い次元でゲーム評価が出来るモノか……プレイヤーは業界人ではなくしょせん素人ですし……ちょおっと疑問では、あります。
PTプレイとコミュニティ
ブルプロは「PT vs PT」をコンセプトとしています。これが2つめの基本コンセプトです。
ただし、このPTはPvEです。敵MOBもPTを組み、相手PTの弱点をついてきます。たとえばヒーラーから狙ったり、状態異常をかけてきたり、です。この計算はゲームAIがします。アドリブ性という言葉が何度も登場します。
普通なら「人 対 人」が行うところを「人 対 エネミー」で出来ないか、というところを目指しています。
ですので、従来のような「攻略情報」が役に立たない可能性があります。
ただ、あまりにもゲームAIが強いことから、CaTでのテストは見送られました。
CBTではダンジョンの敵もフィールドの敵も、もっと手強くなっているそうなので、CaTの時とはもしかしたら全く戦闘が変わってくるかもしれません。CBTからは火、雷、氷などの属性も入りますしね。
前の記事でも言いましたが、このゲームAIについては記事を改めて、もうちょっと書きたいと思っています。
関連記事
【BLUE PROTOCOL】公式生放送「ブルプロ通信2」を視聴しました感想
ダンジョンにしても「さらっと通り過ぎるだけのコンテンツにはしたくない」そうなので、色々仕掛けがあるようです。
うーん……楽しそうですが、これはこれで好き嫌いが分かれそうではありますね。
ダンジョン周回にしても「初心者向け」「効率追求型」など目的によってPTが組めるようにしたい、とのことです。ただ……「初心者向け」で延々マッチングしない未来が見える気もするので……そこは何か考えられている、と信じたい……です。
これ以上操作量を増やすことは考えられておらず、どのクラスもタクティカルスキルは4つで固定。各キーに対応するスキルが3つ、計12種類のスキルで対応するそうです。
日本はスマホゲー人口は多いのですが、スマホゲーから移住してもらえるかと考えた時、難しいとダメですよね。
「開発にはパソコンを立ち上げること自体が怠いことだという認識を持てと言っている」という福崎さんのお話が面白かったです。
街中にサブクエストをちりばめてある、というお話にはちょっとワクワクしました。
スパイク・チュンソフトの新作MMORPGオープンワールドRPG「サイバーパンク2077」(9月リリース予定)でも、「小さな路地に踏み入ったらクエストが発生する」仕組みを取り入れているそうで、「図らずも似てくるものだな」と思いました。
※ サイバーパンク2077は当面シングルプレイ予定だそうです(マルチプレイモード開発中)
CaT時すでに多くのスタンプやソーシャルアクションが用意されている通り、コミュニケーションにも大分重点が置かれているようで、その場その場での共闘など、すれ違いや出会いを楽しんで欲しいということでした。
PvPについて
これは上と被りますが、「従来、人がやってきた部分をゲームAIで代用できないか」というのがそもそものコンセプトです。
従って、PvPの優先順位が低いのは自然なことなんですね。
AIを使ってPvPでの「楽しさ」だけをもってこよう、という試みは、「なるほどな」というか、時代性を感じさせるというか、面白いと思います。
もっとも、ゲーマーはただの「客」なので、そこまで考えて評価はしてくれないでしょう。そういう意味で「わかりやすい楽しさ」は必要かな、と思います。
スク水や下着の実装が予定されていることはもう結構周知だと思いますが、花火や水遊びのような特殊モーションなども考えられているそうです。
新IPとして「長く愛されるタイトルにしたい」とのこと。
ファンタシースターやファイナルファンタジー、ドラクエ……RPGではありませんが、マリオにポケモン、モンハン、バイオハザード……世界中で「ああ、アレね」と言われるようなタイトルに、果たしてなれるでしょうか。
海外展開を見据えているものの、海外プレイヤーの嗜好に合わせるわけではない、ともしていて、プレイヤーとしてはちょっとホッとするところです。
今、週一ペースで行われている生放送ですが、正式サービス後も月一ぐらいで考えられているそうです。
「自由チャット不可? ツール不可? 海外からの接続禁止? 運営が取り締まりを頑張ればいいじゃん」(← 企業側はその労力や費用を他に回したい)
このように、プレイヤーは基本「自分にとって得か否か」しか考えて要望を出さないものです。ここで「○○までならどうですか?」みたいな要望につなげられる人もいますが……。
開発者側は重々ご承知のようなので、そこは上手に取捨選択して立ち回って頂ければ、と思います。
国産タイトルとして応援したいと思います。
これは何度か言ってるんですが、私は国産タイトルだとだいぶ財布のヒモが緩くなるので、今からちょっと節約を……と思ったりしています。
それでは、今回はここまで。
コメント
サイバーパンクはMMOじゃないのでは?
あっ、そうでした! ご指摘ありがとうございます。訂正いたします。