「BLESS」と同時期に開発されていたMMORPG「EIN」はどうなった?

EIN1MMORPG

 

消えたゲームタイトルMMORPG「EIN」

韓国Neowizは2011年の時点で、2つのMMORPGタイトルを開発中であることを明らかにしていました。

ひとつはこれから日本サービスが開始予定の「BLESS」、もうひとつが「EIN」(Epicus Incognitus)です。

EIN1

読み方はおそらく「アイン」だと思います。「BLESS」が様々なニュースで時折メディアに載る一方で、「EIN」はいつしか消息不明となってしまいました。

 

もともとはアクションRPG

EIN」は、アクションRPG「Kingdom Under Fire」シリーズのコアメンバーであったイ・ヒョンギ氏が開発の中核を担っていたタイトルで、さらに遡ると、かつては「Project T」という仮称の、アクションMMOPRGであったことが伺えます。

ブルーサイド、アクションMMORPG「Project T」のグローバルパブリッシング契約をNEOWIZ GAMESと締結
https://www.onlinegamer.jp/news/11547

 

動画やイメージ画を見ると、「BLESS」が中世ヨーロッパベースのファンタジーMMORPGなのに対して、「EIN」は人間ドラマ中心(魔法と機械が極度に発達した世界ですが)のアクション要素の強いMMORPG、と棲み分けるつもりだったのかな、という印象です。二丁拳銃とか出てきますし……。

 

2011年に発表の情報を見る限りでは、「BLESS」よりも「EIN」の方が詳細が明らかにされており、「EIN」が先行して開発されていたのでは、とも思われます。

ちょっと時期がハッキリしないのですが、その後、開発は「Neowiz」から「Inuca Interactive」に移ったようです。

 

「EIN」はどのような内容だったか

タイトルの「EIN」(Epicus Incognitus)は、ラテン語で“未だ知られざる深く壮大な物語”を意味しているのだとか。

ゲームの紹介によると、「ルナ」と「セクトゥス」という、二つの陣営による対立構造を軸に物語が展開していく構造です。

プレイヤーは長年の構想を経て形作られた「ファンタジー小説を凌駕する膨大な世界」の中で、「一本の大作ドラマの主人公のように」「物語の中に実在し、息づく」のを感じられる、と謳っています。

ほかにも……
「ドラマのようなストーリーテリング」
「最高のゲームのグラフィック」
「多様で充実したゲームシステム」
「差別化された演出方式」
「魅力的なキャラクター」
「高レベルのグラフィック」

など、魅力的な惹句が並びます。

 

物語のプロローグは以下のようです。

<天の母>に仕える<ルナ>という都市に100年に一度現れるか否かの「左天使」が「母のライオン」を導いて現れる。

天啓を得て、<ルナ>は教区統合を推し進め、統合に反対する独立教区の「カザールディール」と対立する。

「カザールディール」を吸収しようとする<ルナ>に対抗するため、「カザールディール」の司教は、ある計画を準備する……。

EIN2

二つに分かれた陣営のさらに内部で派閥や競争が生まれ、主人公は「葛藤」したり「秘密」を抱えたり、「軋轢」にもまれたりしながら、ゲームを進めていきます。ストーリーばかりでなく、PvPやRvR、ミニゲームなどもあるようです。

 

その後の展開、そして

EIN」はしばらく沈黙を続けた後、2012年から2013年にかけて韓国内外のいくつかのゲームイベントに出展され、中国やロシア、ヨーロッパ向けに海外パブリッシャーを探すなどの動きを見せます。

EIN: Epicus Incognitus – Unreal Engine 3 title spotted at B2B area
http://mmoculture.com/2013/07/ein-epicus-incognitus-unreal-engine-3-title-spotted-at-b2b-area/

Next-gen EIN:Epicus Incognitus to Attend Gamescom 2013

(リンク切れ)

この時点では、2014年初頭には韓国でCBTが始まる、という予定も流れていたようです。

しかし、ここまで色々固まっていたにも関わらず、それきり情報は途絶えます。

 

おそらくこれが、最新にして最後の映像と思われます。
以下、2012年に発表された「EIN」トレイラー映像です。

 

そして、はっきりとは分かりませんが、どうやら「EIN」は開発中止になった模様です。

開発に携わっていたと思われるグラフィックデザイナー「Junseok Kwon」氏の2か月前(2017年8月)の投稿には、「開発が中止になった」と明記されています。

EIN3

ArtStation-Junseok Kwon

 

それなりに進展が見込まれていたと思われるタイトルでも、消えていってしまうものなのですね……。ゲームの世界は玉石混交ですが、このような野心的でボリュームのあるタイトルがひっそりと中止になってしまうのは、いかにも惜しい話です。

もしかして、もしかしたら……どこかでひっそりと返り咲いたりするかもしれませんし、それを期待しています。その時には、日本にも来ますように。

 

参考にさせていただいたサイト

[G-Star 2011]Neowiz Gamesの次世代MMORPG「BLESS」と「EIN」がシアター出展。物語を重視したEINの世界観も明らかに
http://www.4gamer.net/games/142/G014239/20111111090/

 

Inuca Interactiveサイト(韓国語・英語)
https://sites.google.com/a/inuca.com/testing/

 



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