NHKドラマにもなった『みをつくし料理帖』

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オススメ時代小説第2弾です。有名作品ではありますが、今回は『みをつくし料理帖』を。

 

髙田郁著『みをつくし料理帖』は、わけあって大阪から江戸へ出てきた女料理人「(みお)」が主人公の時代小説です。完結済で、累計部数は300万部を超えるそう。

本ストーリー全10巻+「花だより 特別巻」1巻+「みをつくし献立帖」1巻です。

下がった眉に地味な出で立ち、すでに「年増」の年齢に達している澪(江戸時代なのでハタチ過ぎると……)ですが、けなげで可愛らしいです。

 

2017年5月より、NHKの土曜時代ドラマにて、ドラマ黒木華さん主演『みをつくし料理帖』が放映されました。

2019年12月14日には、続編も放映されています。

 

全話拝見しましたが、原作の雰囲気とよくマッチした佳作だったと思います。原作がそこそこ長いお話なので、あちこち端折ってあるのは残念ですが、仕方ありませんね。

ほんのり恋愛要素もあり、澪が想いを寄せるお相手の「小松原様」を、東京五輪で鎮魂の舞を披露された森山未來さんが演じています。

かつて、テレビ朝日でもドラマ化されたことがあったそうですが、その時の主演は北川景子さん。

 

また、漫画化もされています。

 

物語が本当に綺麗な終わり方をしたシリーズで、最終巻を読んだ時は涙を抑えきれませんでした。

良いお話を読むと、「幸せだなぁ」って思いますね!

 

主人公「」は幼少時、淀川の水害で両親を失うも、大阪の名料理屋「天満一兆庵」に拾われ、料理の道へ進みます。

しかし、大火により「天満一兆庵」も失い、女将「芳」と共に江戸店を頼って上京。……したものの、江戸店はいつの間にか主人(芳の息子)の不始末で閉店したと聞かされます。

一度は芳ともども行き場を失った澪ですが、蕎麦屋「つる屋」の主人・種市に誘われ、再び料理人として包丁を握ることになります。

以降、女性であることや江戸と大阪との違い、ライバル店の出現などに悩まされながらも、己の道と信じて料理に邁進していきます。

恋愛話も出てきますが、見所は「料理」および「調理」。もちろん、これまでにも「料理」がテーマの時代小説は色々ありましたが、このシリーズのヒット以降、「グルメ×時代小説」がひとつのジャンルとして定着したと思います。

作中に出てくる料理の数々……ほとんど肉が登場しない江戸の料理が、これほど豊かだという事に驚かされたものです。作品にはレシピもついています。作るのは大変そうですがね……。

 

もうひとつは人間模様ですね。登場する人物は皆、心や過去に傷を抱えていて、どこか切ないです。その人たちが「料理」を通して結びついていきます。

とはいえ、けして「料理」が万能の魔法ツールではありません。限界もあります。主人公の澪も、下戸という、料理人としては致命的な欠陥がありますし、「小娘」らしく未熟なところもチラホラ……(笑)

でも、それがこの作品の「醍醐味」でもあるのでしょう。

 

ところで……。

この作品には、「女の料理人なんて!」という描写が、たびたび登場します。私も、これを読んでいた時は「江戸時代だし、そういうものなのだろうな……」と思っていました。

が、この後、女性が小料理屋の女将で料理人、という作品をいくつか読みまして、「江戸時代に女性の料理人って珍しいの? 違うの?」となっています。

江戸時代には「専業主婦」が居ないので、女性が営む「お総菜やさん」も結構あったそうですが。

どなたか、お分かりになる方、ご教示のほどお願い申し上げます。

 


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