お江戸の「宮部ワールド」を堪能『本所深川ふしぎ草紙』

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オススメ時代小説第3弾です。

ミステリーやファンタジー、ジュブナイルなど、それはそれは数多くの作品を生み出している小説家「宮部みゆき」さん。

幾度となく作品がドラマ化、映画化され、直木賞作家でもある彼女の名を知らない方はあまりいないと思います。

時代小説でもたくさんの名作を書かれていますが、この『本所深川ふしぎ草紙』は、宮部さんの、初めての時代小説の本でもあります。

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宮部みゆきさんは、いくつもの賞を受賞されていますが、本書では「吉川英治文学新人賞」を受賞されています。

本所七不思議」とは、本所……今の東京都墨田区のあたりに、江戸時代から騙り伝えられてきた怪談のこと。

置行堀
送り提灯
送り拍子木
燈無蕎麦(または消えずの行灯)
足洗邸
片葉の葦
落葉なき椎
狸囃子(または馬鹿囃子)
津軽の太鼓

……の、7つです。有名なものもあれば、そうでもないものもありますが(笑)

とはいえ、「ふしぎ草紙」と題名にはありますが、本書にオカルトやファンタジーの要素は全く入っておりません。

本所深川ふしぎ草紙』は、本所七不思議にそれぞれ題材をとった、7つの捕り物帖でもあります。

この先、彼女の様々な作品で活躍することになる「回向院の茂七親分」が、バイプレーヤーとして早くも登場しています。

下町人情モノの連作短編集ですが、そこは「宮部みゆき」なので、事件が起こりました、解決しました、めでたしめでたし……では終わらず、人と人とが繰り広げる愛憎、やるせなさ、理不尽さ、やさしさ、哀しさなど……人としての性、心の闇、が充分に描かれています。

それぞれ一篇ずつは長くなく、時代小説にありがちな難しい言葉遣いも無く、さらりと読み通せますが、「人が生きていくってこういうことだなぁ」と、ひとつひとつが心に響きます。

宮部さんの時代小説には、いわゆる鈍器本と呼ばれる、ものすご~く分厚い単行本(しかもシリーズ物)も出版されていますが、それらに比べて、こちらは本当に手に取りやすいです。

「宮部ワールドの原点」と呼んでもいい短編集だと思います。

ミステリーではない宮部作品の入り口としても、時代小説の入り口としてもオススメな作品です。

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それでは。


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