縄文展に行ってきました

遮光器土偶Other
上野の東京国立博物館(平成館)で開催中の「縄文~1万年の美の鼓動」展に行ってきました。

特別展「縄文~1万年の美の鼓動」が行われているのは、2018年7月3日~9月2日まで。

お昼少し前に着きましたが、夏休みとあって、人出はさすがに多かったです。

混雑状況はツイッターで見ることができます。

イマドキ、大き目の展覧会は大抵こういうアカウントが存在するのでありがたいですね。

JR上野駅から平成館まではそれなりに距離があるので、日差し、熱さ対策はしっかりしていった方が吉です。人が多いので、日陰を歩けるとも限りませんのでね。

 

お客の年齢層はけっこうバラバラ。子供からお年寄りまで、男女問わず訪れていましたが、私が行った時は「年配の方が多めかな」という印象でした。

子供たちは夏休みの自由課題を兼ねているのか、メモを取りながら見ている子が目立ちましたね。

音声ガイドを借りて聞きながら回っている人もたくさんいました。ただ、ガイドを聞きながらだと、混雑状況によっては厳しいかもですね。

ちなみにナビゲーターは杏さんです。

 

会場には、約1万年にわたって続いた縄文時代、その遺物として発掘された「土器」「装身具」「石斧」「土偶」などが陳列されています。

主に、縄文の「前期」「中期」「後期」と分けて陳列されており、変化を目で見て感じることができるようになっていました。

やはり「中期」のものが素晴らしいかったですね。「後期」になると洗練されてきて変化も大きいのですが、力強さとか独自性はちょっと薄れてくるかな~、と……。個人の感想ですけれども。

 

縄文時代とは

縄文時代は、旧石器時代の後から弥生時代の前までを指し、以下のように大別されています。

草創期:前11000~前7000年
早期:前7000~前4000年
前期:前4000~前3000年
中期:前3000~前2000年
後期:前2000~前1000年
晩期:前1000~前400年

旧石器時代に比べると道具の使用が格段に増え、狩猟中心の移動生活であったものから、採取や栽培、狩猟、漁労を組み合わせた定住生活に移ったあたりから縄文が始まります。

定住によって、建築の技術も向上し、周囲の森林の開拓なども行われ、結果として多くの遺跡が残りました。

日本全体の人口は、草創期では約2万人ほど。中期には最大の約26万人に達しますが、晩期にはなぜか減少し、約8万人ほどになったといわれています。

この人口減少は日本に限らず同時期の世界各地で見られるため、なんらかの気候変動による影響ではないかともされています。

縄文時代中期の遺跡として有名な、青森県の「三内丸山遺跡」は、400~500人程の規模の集落だったのでは、と推測されています。

特別史跡「三内丸山遺跡」公式ホームページ

※ 諸説あります

 

縄文の国宝全6件集結

縄文時代の出土品で「国宝」に指定されているものは全部で6点。この特別展では、その6点すべてを一度に観ることができます。

公式サイトにも「みどころ」として大々的に謳われているのですが、実は6点が揃うのは開催が始まってからだいぶ経った7月31日以降だったので「騙された!」となった方も少なくなかった様子。

それ以前は写真展示だったそうなので、ちょっと「無いわ」と思いますね(笑)

国宝6点は以下の通り。

土偶 中空土偶(北海道)
土偶 仮面の女神(長野)
土偶 縄文の女神(山形)
土偶 合掌土偶(青森)
土偶 縄文のビーナス(長野)
火焔型土器(新潟)

カッコ内は出土した場所および保管場所です。ご覧の通り見事にバラバラなので、それぞれを観に行こうと思ったら、ちょっと大変そうですね。

で、ちょっと「あれ?」となった方も居ると思いますが、例のあの有名な「遮光器土偶」。あれは重要文化財です。

出土したのは青森県ですが、所蔵は東京国立博物館なので、これはいつも上野で見ることができます。

 

個人的なみどころ

今回私が楽しみにしていたのは、「土偶」もそうなのですが、「大珠」です。ヒスイの板状の装飾品のことで、勾玉が流行し始めると、姿を消してしまいます。

男性しか身につけなかったという説を聞いた覚えもあるのですが、今回の展示品では、緑色の石を加工した女性の装飾品としての「大珠」を見ることができました。

大珠

かねてより興味があったのですが、写真や映像だとサイズや色合いがどうしても体感しづらかったので、満足です。

展示の仕方にも一工夫されていて、とても綺麗でした。

 

詳しい事は、以下の東京国立博物館ブログ記事でどうぞ。

東京国立博物館

【縄文】装身具の魅力の源は?

 

会場の出口付近には、触れられるレプリカも……。ただし持ち上げてはダメ。

触ってみましたが、全体の重さに対して飾りの部分は華奢なので、とても持ち手にはならなそうだなー、と思いました。

 

同時期の世界の文化はどうなんだろう、とは誰しも気になるところでしょう。展示会場では、同時期の中国、パキスタン、欧州などで出土した器も展示されていて、「違い」を見ることができました。縄文の「美」が、世界ではポピュラーな彩色ではなく、造形に特化していることがよく分かります。

当時すでに朱漆も黒漆もありましたから、彩色をしようと思えば出来たのじゃないかな……と、ちょっと不思議に感じましたね。

 

オリジナルグッズ

会場では各種オリジナルグッズも販売されています。絵葉書やハンカチ、Tシャツなどの定番品から、各種文具、お菓子や折り紙、クッキーの型なども。

使い道に困りそうな……。

縄文後期のイノシシ型の土偶は実物も可愛かったです!

なかでもとりわけ人気があるように見えたのは缶バッチとピンバッチの「ガチャ」。両替機にお札を突っ込む人が列を作っていましたし、私が売り場に居た時にも、職員の方がカプセルを追加していました。

私自身はあまり興味無かったので遠くから眺めるだけでしたが、レアものとかあるのでしょうかね……。

 

グッズ売り場では、いつも書籍はチェックします。今回気になったのは以下の本。

縄文人の死生観

まあ……会場で買わずとも通販で充分ですけどね。

 

オリジナルグッズは(ものによりますが)それなりのお値段だな~と感じたので、グッズが気になった方はお財布のご用意が必要かもしれません。

私は絵葉書とマグネットだけしか買ってないので、さほどの出費ではございませんでした……。

 

火焔式土器を撮影したいならここ!

さて、今回の特別展は、最後の撮影可能エリア以外は写真撮影不可。撮影可能エリアでもフラッシュは禁止です。

しかし! 今回特別展にも展示されている「国宝 火焔式土器」を撮影し放題な場所があります。

それは新潟県十日町市「十日町市博物館」。

というわけで、私が実際に博物館で撮影してきた写真がこちら!

火焔式土器1

国宝 火焔式土器」です。

こんな感じで、結構ざっくり展示されていますが、数がものすごく多いです。

火焔式土器3

展示しきれない「土器片」などは館内に作り付けの棚の引き出しに納められているのですが、それも好きなだけ自由に引き出して見られます。

閲覧も撮影もし放題なので、好きな人はたぶん1日中居られると思いますね。

土器

機会のある方は是非! お勧めです。

 

関連リンク

特別展「縄文 1万年の美の鼓動」公式サイト

特別展「縄文-1万年の美の鼓動」(縄文展)
力強さと神秘的な魅力にあふれる「縄文の美」をテーマに、日本列島の多様な地域で育まれた優品を一堂に集め、その形に込められた人びとの技や思いに迫ります。東京国立博物館(東京・上野)で2018/7/3~9/2に開催します。

「十日町市博物館」公式サイト

十日町市博物館 TOPPAKU|TOKAMACHI CITY MUSEUM – 十日町市博物館「TOPPAKU」のウェブサイト。国宝「火焔型土器」などを常設展示。
十日町市博物館「TOPPAKU」のウェブサイト。国宝「火焔型土器」などを常設展示。

 

現在は、三内丸山遺跡を含む「縄文遺跡群」のユネスコ世界文化遺産への登録を目指しているようですが、沖縄の候補地と競合していて、今後どうなるかはまだ不透明ですね。

 

それでは、今回はこのへんで。


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