以前、印刷見本を取り寄せてみた記事を載せました。
今回もやはり見本なのですが、「束見本」(つかみほん)です。
東京都台東区にある印刷所「ワンブックス」さんよりお取り寄せしてみました。
「束見本」とは、ご覧の通り「本の形になっている印刷見本」のこと。(上の部分色が変わってるように見えますが、光っちゃってるだけです)
厚さがまったく違いますが、こちら、すべて同じ「200ページ」なのです。
新しく導入された用紙4種類を使った見本です。
ノベルクリームロゼ 31㎏ 米坪53.8g/㎡ 紙厚0.069mm
ノベルクリームロゼ 34㎏ 米坪60.1g/㎡ 紙厚0.087mm
ミステリッククリーム 32㎏ 米坪58g/㎡ 紙厚0.073mm
Holmen BOOK Cream 33㎏ 米坪60g/㎡ 紙厚0.107mm
用紙そのものの厚みによって、これだけ本の厚さに差が出るんですね。
個人的には、スウェーデンの製紙メーカーの書籍用紙だというHolmen BOOK Creamという紙を見てみたかったのですよね。洋書のペーパーバックのような紙なのかなあ、と興味が沸きまして。
でも実際触ってみたら、もっときれいで上等でした。ペーパーバックの紙って藁半紙みたいですもんね(笑)
ん~……個人的な好みで言うと、ノベルクリームロゼ 34㎏が一番好きかな……でも個人によると思います。
こちら↓が公式のツイートです。
お待たせしてます文庫用の新用紙ですが、皆様のお手元て比べて触って選べる用にプリントテストを兼ねてサンプルの用意を進めています。新しい文庫用紙は一気に4種類。先行してご紹介します(書籍部 pic.twitter.com/tum6lKcXvx
— (株)REDTRAIN公式 (@redtrain_info) June 1, 2021
束見本も印刷見本も、公式サイトの「OneBooksオンデマンド」→「資料請求」から注文できます。
ところで文庫専用紙の束見本ですが、用紙見本注文フォームにてご注文頂けるように致しました。
数に限りはございますが、そこまで需要があるのかと言うと🤔とも思っておりますので大丈夫かとは思います。
ご注文お待ちしております(前田)https://t.co/zmH7BCXTcY pic.twitter.com/GDyhamfeoW— (株)REDTRAIN公式 (@redtrain_info) June 5, 2021
「文庫本向け新用紙束見本(4種類各200ページ)」ですが、6月6日日曜に開催されるCOMITIA136に企業出展致しますのでそちらにて販売致します。配置は企13です。
4種セットで1,000円となりますのでどうぞよろしくお願い致します。
通販でも近日受付開始予定ですのでお待ちくださいませ。(前田) pic.twitter.com/cBf2g9Uwoo— (株)REDTRAIN公式 (@redtrain_info) June 4, 2021
文庫本向け新用紙4種類の束見本が無事に完成!週末に間に合った!
200ページの束見本には巻頭数ページに印刷サンプルも含めています、こちらはCOMITIA136の弊社企業ブース(企13)で販売予定です。
それとは別に枚数を増やした束見本も作ったのですが、並べると厚みの差が凄いですね。。。(前田) pic.twitter.com/TtX4N9Evat— (株)REDTRAIN公式 (@redtrain_info) June 4, 2021
いまどきはありがたいことに、アチコチの印刷所で割とお手軽に本を作れるようになりました。が、本を作ってみたら「予想よりページが硬い、めくりにくい」と思ったり、「鈍器を作りたかったのに期待していたほどぶ厚くない」なんて事も……。
でも「束見本」なら、実際に「本を読む」という動作をした時、どんな感じになるのかが分かります。本の厚さ、重さ、表紙との兼ね合い、紙の手触り、紙自体の色、ページをめくった時の送りやすさや硬さなどなど……。
大抵の印刷所だと、印刷見本はいろいろな種類の用紙1枚ずつに、様々なプリントがされたものが届きますね。
それはそれで勉強になるのですが、1枚の用紙から「本の形」を想像するのはかなり難しいです。が、200ページの束見本から、たとえば「400ページの本を作ったらどうなるか」を想像するのは難しくありませんね。
最初のページに印刷がされていますので、発色や裏移り(透け方)なども確認できます。
残りは印刷されていない白い紙なので、まぁ……見本のまま取っておくなり、文庫サイズなのでカバーをかけてメモ帳にしてもいいですね。
ワンブックスさんで扱っている用紙は他にも多々あり、人気の度合いはこのようになっているそうです。
スカーレットノベル生産終了と言う事もあり直近10ヶ月ほどの「ワンブックスでご注文頂いたA6文庫本サイズの本文選択率」をまとめました。今回も「斤量違いはひとまとめ」で計算。スカーレットが2位ですね、好評だった証左でもあります。無くなってしまうのは残念ですがこれも一期一会の出会い(前田) https://t.co/1X5rI115Ro pic.twitter.com/8pM9r7LfHf
— (株)REDTRAIN公式 (@redtrain_info) June 10, 2021
この記事を書くにあたり、ちょろっと「束見本 通販」でググってみましたが、それなりのお値段で……。
「この金額なら普通に印刷が頼めちゃうなぁ」という感想でした。
さて。
ワンブックスさんはたぶん以前から、「1冊から印刷できる印刷所」として、一部ではよく知られているのでは。
ただ、この記事の頃からだいぶ経ちまして、今はpixiv factoryをはじめ、「1冊だけ」刷れる印刷所も増えましたし、諸々の影響からワンブックスさんも当時より価格が上がっています。
特に送料が値上がりしたので、印刷は数百円で収まっても、送料で1650円(税込)、ポンと上乗せされてしまいますね。合計金額だけ見ると一瞬「高い」と正直思うのですが、印刷代は破格だと思います。
ワンブックスさんの特異な点は、(基本的に)何冊刷っても1部あたりの料金が変わらないところ。
※ 20部以上ならMonoRe:th on-demandプラン、300部以上ならオフセット文庫本プランもあります。また、MonoRe:th on-demandプランなら1カ所まで送料無料(期間限定)です。
そして、カラーでもモノクロでも料金が変わらないところ。
更には、カバーと帯(巻き含)とPP加工が基本料金内であること。
カバー帯付きのフルカラー本を1冊だけ刷る、という条件で検索してみるとよくわかりますが、「1冊だけ刷れる」ところで、これだけのことを希望するとなると、普通はかなり割高になります。
特に、カバー巻きはともかく、帯巻きまでしてくれるところは他に見当たりません。もしあったら教えて下さい(笑)
「少部数」ではなく「1冊」というのがすごいです。「自分用に1冊だけ(ちゃんとした)本を作ってみたい」という人は、案外少なくないと思います。
また、今後名刺など取り扱い商品を増やすご予定もあるそうで、「少部数印刷の味方」だなあ、と思います。楽しみですね。
文庫向け新用紙のお話しから一転して「こう言ったものも作れるようになりました」と言うお話しを。
クリア素材を使ったサンプルもCOMITIAあわせでご用意します。イラストはべにしゃけ様 @benisyakedon です、ありがとうございます!ちなみに写真はA5サイズとしおりサイズです。(前田) pic.twitter.com/QvUBVYVYA5— (株)REDTRAIN公式 (@redtrain_info) June 4, 2021
それでは、今回はここまで。
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