上野「ラスコー展」でクロマニョン人に会ってきた!

先日、上野の国立科学博物館で開催中の「世界遺産 ラスコー展 〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜」に行ってきました。

その見どころ感想などをまとめていきます。

公式サイトなど、参考にさせていただいたリンクは末尾にまとめてあります。

上野のラスコー展

世界遺産 ラスコー展 〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜」は、東京、上野公園の「国立科学博物館」にて、昨年11月~今年2月19日まで開催されています。

TBS系ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』第10話の舞台になったことでも、話題になったようです。……観ていませんが(笑)

会場の混雑状況は、「ラスコー展」公式サイトで分かるようになっています。

私が行ったのは平日の午後でしたが、会場に入る前の待ち時間はありませんでした。

年配の方が多かった印象です。その分、閲覧のペースはゆっくりめなので、そのつもりで行かれた方がいいかもしれません。

音声ガイドの貸し出しは行われていましたが、私の見る限りでは、借りている方は多くないようです。

ほとんどの展示品は写真撮影可(フラッシュ不可)。なので、カメラはお忘れなく。ただ、ガンガン写真を撮っている方もあんまり居ないかな~……という印象でした。

出口近くに撮影スポットも設けられているのですが、私が通りがかった時には、若い女性がふたり「撮る? どうする?」と迷っていたぐらいで、残念ながら人気はなさそうです(笑)

当日券は一枚1600円とけしてお安くはありませんが、同じチケットで「常設展」も見られます

そもそもラスコー展とは

世界遺産の遺跡群

ユネスコの世界遺産としての正式な名称は、「ヴェゼール渓谷の先史的景観と装飾洞窟群」です。1979年に登録されました。
フランス南西部、ボルドーの東側に、40㎞ほどにまたがって広がる遺跡群です。

ラスコー洞窟の他に、ネアンデルタール人の遺物が発見されたムスティエ遺跡や、クロマニョン人の骨が発見された「クロマニョン洞窟」(アブリ・ドゥ・クロ=マニョン)などがあります。

その中には、洞窟壁画のある遺跡も、ない遺跡も存在します。ラスコーの洞窟壁画がひときわ高評価なのは、その高い芸術性にあります。

今回の展示会も、そのあたりにスポットを当てたものとなっていました。

ラスコー展は「ラスコー3」

ラスコーの洞窟壁画は、1940年9月12日、地元の少年らによって発見されました。穴に落ちた犬を助けるべく潜っていった場所が、ラスコー洞窟だったそうです。

このあたりの顛末はフランスでは有名で、絵本や漫画にもなっているようです。

発見者のうち、お一人はまだお元気で、今回の上野の展示会向けにメッセージを寄せられています。公式サイトで見ることができます。

その後、ラスコーは観光名所として整備されましたが、見物客が多く押し寄せたことで壁画の状態が悪化。1963年、保全のために洞窟は閉鎖されました。現在、一般人が立ち入ることはできません。

状態が悪くなったのは観光客のせい、というのが公式の見解ですが、内部に設置した空調が原因ではないか、という説もあるようです。

高松塚古墳もカビだらけになってしまいましたし、保全は難しい問題ですね。

ラスコー洞窟には、「ラスコー1」~「ラスコー4」まであります。
なんじゃそれは?」と思いますよね。

ラスコー1」は、本物のラスコー洞窟のこと。「ラスコー2」は、3分の2を復元したもの。「ラスコー4」は、昨年2016年末に完成した洞窟全体のレプリカ施設で、本物のすぐ近くにあります。

で、「ラスコー3」が巡回展示型のレプリカ施設のこと……これがつまり、今回上野にやってきた「ラスコー展」になります。

ラスコー3」はフランスの後、カナダ、アメリカを回り、日本へやってきました。上野の後は、3月から東北歴史博物館、7月からは九州国立博物館で開催される予定です。

ラスコー展 見どころ

クロマニョン人は金髪碧眼

会場へ入ると、等身大のクロマニョン人の親子が出迎えてくれます。

皮と毛皮の服を着て、貝殻のビーズのアクセサリーをまとい、装飾のタトゥーを入れています。

そして、色白、金髪碧眼なのです。

人類は、「猿人」「原人」「旧人」「新人」と進化を辿ってきました。今の我々が「新人」です。

クロマニョン人も新人です。ネアンデルタール人は旧人、となっています。その先祖に「ハイデルベルク人」という古人類がいます。

展示会では、それぞれの頭蓋骨のレプリカも展示されいます。

実際には、そんな綺麗なルートを描いて進化したワケではないらしく、混在したり脇道へそれたり……色々あったようです。

毎年のように「新発見」があって、「定説」がひっくり返され続けているので、このあたり私にはもう何が何やら……です。

クロマニョン人とネアンデルタール人は、共存している時代がありました。

最新の研究によれば、ネアンデルタール人は白い肌に金髪碧眼、彫りの深い顔立ちだったそうです。

ネアンデルタール人との交配により、現生人類やクロマニョン人にもその特徴が受け継がれたと言われています。

ビーズの頭飾りやタトゥーは、埋葬品や壁画から推測されたものだそうです。

皮をなめす道具や、骨から作った「縫い針」も展示されています。


「縫い針」、想像していたよりもずっと小さくて華奢なものでした。「あれでどうやって皮や毛皮を縫ったのかな?」というのが、素朴な疑問です。

当時、クロマニョン人を脅かす存在だった猛獣、狩りの対象となった動物たちも紹介されています。

ラスコーの洞窟壁画を精密に再現

ラスコー洞窟の壁画は1万8000年前もの。

ちなみに今見つかっている最古の洞窟壁画は3万6千年もので、フランスのショーヴェ洞窟にあります。

洞窟内部は、いくつかの「部屋」に分かれているのですが、それぞれが立体の模型で再現されていました。

また、その中の「身廊」の壁画と「井戸の場面」の絵が実物大で再現されています。

「トリ人間」と呼ばれる、謎の人物像も再現されています。鳥に見えるかどうかは……実際にご覧になってご判断ください(笑)

壁画は重ねて描かれていたりもするため、すぐそれと分からないものもあります。

展示会では、光の当て方などを変えて詳細がわかるように工夫されていました。

世界初・日本初公開 国宝級の遺物たち

ネアンデルタール人の文化に、芸術的な要素はまだ見当たらないそうです。これがクロマニョン人になると一変します。

展示会では、人類最初の芸術品として、クロマニョン人が残した彫刻などが展示されています。

バイソンや馬の彫像、ネコ科の動物が彫られた投槍器、「ヴィーナス」と呼ばれる小立像などです。

いずれも大きなものではありませんが、非常に繊細。もともとの形を上手に活かして仕上げられています。

私が「おおおお!」となったのは、世界初公開だという「洞窟に残された画材と道具」です。

2万年前の「絵の具」を見る機会は、めったにないでしょうからね。

日本との比較

少しだけ、日本のことにも触れられていました。

クロマニョン人の文化にあって、日本では発見されていないもの、また逆に、日本では発見されていてクロマニョン人の文化にはないもの、の一覧がパネル展示されていて、これがなかなか興味深かったです。

展示についての個人的感想

スペースを広く取った、ゆったりとした展示です。子供にも分かるような、丁寧な説明でした。その分、よく知っている人には少し物足りないかも。

また、展示の中には、画面を操作するものが少なくなく、これだと一度に「一人しか」見られないのです。しかも操作をするので、一人当たりが結構時間を使ってしまいます。私はこの部分は見るのをあきらめてとばしてしまいました。

こういう展示方法は、国立科学博物館のような、大容量の入れ物とはあまり相性が良くありませんね。

同じ内容でパネルでも出してくれたらな、と思いました。

「ラスコー展」グッズ

会場出口あたりに設けられたグッズコーナー。いつも楽しみにしています。

壁画をプリントしたシャツとかトートバッグとかキーホルダーとかメモ帳とかお菓子とか……色々。ガチャガチャや記念メダルも……。

個人的にはフェルト製のブックカバーに惹かれました。常設のミュージアムショップの方にも少しラスコー展関連のグッズがあったので、お見逃しなく。

が、私が今回購入したのは、絵葉書数枚と、以下の本です。

最古の文字なのか? 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く (文春e-book)

まだ読んでいませんが、洞窟に残された「記号」の謎に迫るそうで、タイトルだけでもワクワクしますね!

ラスコーの洞窟壁画の「記号」には、紫色で塗りつぶされたものもあるそうです。なにやら意味深長ですよね。

洞窟壁画は、シャーマンが描いたとも言われます。展示会では、これを「芸術」と捉えていました。

洞窟の牛の像などは上から重ねて描かれているものも多いです。

「芸術」だったかもしれないが、「作品」であったかは疑問が残る、というのが、一緒に行った者のセリフです。

もし「作品」であるなら、上から重ねて描くことは無いのではないか、「描く」行為そのものに何か(おそらく呪術的な)意味があったのではないか、というようなことを、熱く語っていました。

私は「あ~、あの絵とこっちの絵は描いた人絶対違うわ~」ぐらいの感想でしたけどね。

さて、皆さまはこの展示をご覧になって、どのようなご感想をお持ちになるでしょうか。

上野の展示は、残すところあと3週間です。

参考にさせていただいたサイト

世界遺産 ラスコー展 〜クロマニョン人が残した洞窟壁画〜
http://lascaux2016.jp/

ラスコー展公式ツイッターアカウント
https://twitter.com/lascaux2016

「ラスコー展」が『逃げ恥』の”聖地”に仲間入り
http://news.mynavi.jp/news/2016/12/17/026/

ラスコー洞窟を忠実に再現、「ラスコー4」がオープン
http://www.afpbb.com/articles/-/3110959

ラスコーの洞窟
http://jp.france.fr/ja/information/24096

世界最古の壁画洞窟ショーヴェ・ポンダルク 世界遺産
http://jp.france.fr/ja/news/46622

「人類最古のDNA」を解析 進化のなぞに手掛かりか
http://www.cnn.co.jp/fringe/35041207.html

ラスコー公式サイト(フランス)
http://www.lascaux.culture.fr/


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