「結婚式で、自分の好きなアーティストの音楽をBGMとして流しました」
さて、著作権上、これはOKでしょうか、アウトでしょうか?
結論から言うと、「私的使用の範囲ではありません」。
以下のJASRACのサイトで、詳しく説明されています。
ブライダルでの音楽利用について
http://www.jasrac.or.jp/info/bridal/index.html
音楽を会場やプロに頼んだ場合は、会場となっているホテルや演奏する業者が許可をとっているはずなので、大丈夫なようです。
披露宴で、新郎新婦友人らが出し物をしたり、親戚のおじさんがカラオケで熱唱したりするのも、大丈夫です。
その様子をビデオで撮って、自宅で観るのも大丈夫。
でも、それを友人に配布したらアウトです。
著作権法第30条(私的使用のための複製)では、「個人または家庭」に限るとされていて、「友人」はその範疇外。
路上での生演奏もアウトで、過去には、実際に裁判を起こされて1600万円を請求された判例もあるようです。
友人や新郎新婦が作ったオープニングビデオに曲を使うのもアウトです。「複製」利用にひっかかります。
「著作隣接権」という手続きが必要になるそうです。(詳しくはJASRACの公式サイトでご確認ください。)
JASRAC使用料計算シミュレーション
つまり「私的使用」の範囲って、実はかな~り狭いのですね……(汗)
「フリーで使用していいですよ」と明記されている音楽なら、話は別ですけれどもね。
……と、厳密に言えばアウトなのですが……。
現実問題として、全国で行われる式典すべてにJASRACが目を光らせられるかといったら無理なワケで……。
多少は、見逃されているようです。仮に違反を見つけたからといって、逐一証拠を集めて書類を作って請求の手続きをして……となると、かなり手間暇かかってしまいますしね……。
ただ、禁止は禁止なので、「使ってもいいですか?」と正面から問い合わせ等されたら、管理している団体側としては「ダメ」と、答えざるをえないそうです。でも、だから黙って使っていいとは言いませんよ! 過去、使用料を請求された例が複数ありますので!
ですが、今後は時代の流れに合わせて、規則のほうが変わっていく可能性も少なくないのではないでしょうか。
上記は、JASRACが管理している音楽に関して……つまり、大半が邦楽のことです。
洋楽の場合は、各レコード会社が権利を持っていて、その会社によって対応が異なるようなので、事情はもっと複雑になります。個人的には、「わからないなら使わない」のが無難ではないかと思います。
会場となっているホテルや演奏する業者が許可をとっていないけれど、どうしても音楽を流したいという場合は、ご自身でJASRACに申請するか、以下のサイトをお勧めします。
一般社団法人音楽特定利用促進機構
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