動画編集ソフト「VEGS Pro」(ベガスプロ)の最新バージョン日本語版「VEGAS Pro 17」がソースネクストより2019年9月12日、発売になりました。
新バージョンには30もの新機能がついているのですが、なんと、8K動画編集にも対応しています。
「VEGAS Pro」は今年、誕生20周年を迎えました。
かつてSONYが制作、販売していたソフトなので、海外では未だに「SONY」とつけて呼ばれることが多々ありますが、現在はドイツの老舗映像ソフトメーカー「MAGIX」に権利が移り、引き続きバージョンアップされています。
日本では、ソースネクストが正規代理店です。
VEGASProには3つほど種類がありますが、「VEGAS Pro 17 Edit」は動画編集ソフトのみ、の商品。「VEGAS Pro 17」と「VEGAS Pro 17 Suite」にはオーディオ編集やDVD制作用のソフト、映像効果などのオマケがついてきます。
(ソースネクストのサイトより)
詳細はソースネクストでご確認ください。どれにするかは必要に応じて……と思いますが、経験上、後から色々買い足すのは結構大変だった、とは申し上げておきます(笑) 特に映像効果、別途購入はマジで割高です……。
VEGAS Pro 17:3つのおすすめポイント
(ソースネクスト公式チャンネルより)
さて。
先日、VEGAS製品説明会に参加させていただきました。
※ 今回使用した「VegasPro17」はソースネクスト様よりご提供頂いております
この機会に、「Vegas Pro 17をはじめよう」という方向けに、VEGASPro17で動画を作る際の使い方を、以下にまとめていこうと思います。
複雑なことは書いておらず「動画制作のひととおりの流れ」「最低限これだけやれば動画は完成する」という内容になっています。
同じ事はVegasPro15の時にもやりましたが、まぁ、基本操作なのであまり違いません。
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VegasPro17購入からインストールまで
VegasPro17を購入すると、メールで「シリアル番号」が届きます。
ソースネクストの「マイページ」でも「シリアル番号」が分かりますので、どちらでも大丈夫です。
シリアル番号は、アルファベット5文字+数字4桁+数字4桁+数字4桁+数字4桁、です。
ソースネクストの「マイページ」には、購入済商品が並んでいますので、そこから「VEGASPro17」を選びます。
ダウンロードページへ行き、「ダウンロード」します。
PCには圧縮ファイルで入りますので、それをダブルクリックして解凍します。
フォルダができあがります。
「インストールする」を選びます。
同じフォルダに「スタートガイド」もありますので、そちらをご覧頂くと分かりやすいと思います。
「VegasPro17インストールランチャー」が立ち上がりますので、「VEGAS Pro 17」を選びます。
ウィザードの後、使用許諾契約書へ同意します。
あとは、インストール先を選んでインストールしてください。(Cドライブが無難です)
「デスクトップアイコンの追加」にチェックを入れるのを忘れずに!
インストール後、起動すると「シリアル番号」を聞かれますが、これはダウンロード用のものとは異なります。
Pで始まる32桁の番号で、購入時のメールに記載されています。
「シリアルナンバー」欄に、Pを除いた数字を、ハイフンなしで入力し、「オンラインにて登録/アクティベーション」という黄色いボタンをクリックします。
次に「MAGIX」(VEGASProのメーカー)へのログイン画面になります。
アカウントをお持ちでない場合は、ここでメンバー登録をします。
※ ソースネクストの登録とは別です
これで、インストールは完了です。
Vegas Pro動画完成までの流れ
動画を作るには、以下の操作をします。
① 素材(映像・画像・音)の取り込み
② 素材を並べる
③ 並べた素材を編集する
④ 動画ファイルとして書き出す
これだけで大丈夫です。
では、VegasPro17を起動しましょう。
最初に
VegasProは軽さに定評のあるソフトですが、メモリの不足などによりフリーズしたり突然落ちたりするかもしれません。
ですので、「ファイル」メニュー→「名前をつけて保存」「保存(上書き保存)」しながら操作しましょう。VEGASProのファイルは「プロジェクト」といい、拡張子は(.veg)です。
自動回復機能はついていますが、タイミングがあるのでアテにしすぎないように(笑)
初期画面
VegasPro17を起動すると、以下のような画面が出ます。
VegasProの画面は、基本3つに分かれています。
動画にしたい「素材」や、映像につける「効果」を選択する部分。動画の仕上がりを確認する「プレビュー」画面。動画を編集する場所の「タイムライン」です。
1.素材の取り込み
動画の元となる素材(映像・画像・音)を取り込んでいきます。取り込む方法はいくつかありますが、私の場合「エクスプローラ」を使います。
ここだと、ファイルのサムネイル(縮小型)を見ながら取り込むことができるからです。
最初は「一覧」表示になっていると思うので、画面上で右クリック→「表示」→「サムネイル」にします。
すると、以下のような「サムネイル」表示に切り替わります。こちらの方が必要なものがわかりやすいですよね。
この操作が必要なのは1回だけで、次からは「サムネイル」で表示されます。
使いたい素材の上で右クリック→「プロジェクトメディアリストに追加」をクリックします。
「プロジェクトメディア」タブに切り替えると、素材が取り込まれていることが分かります。
動画に使いたい素材すべてで、この動作を繰り返します。CTRLキー+クリックで複数の素材を選択できます。
サムネイルをダブルクリックすると、素材は「タイムライン」と「プロジェクトメディア」に取り込まれます。すぐ編集する場合はこれでもかまいません。
2.素材を並べる
次に、取り込んだ動画用の素材を、タイムラインへ並べていきます。
「プロジェクトメディア」タブを開き、素材をタイムラインへドラッグします。
タイムラインへ取り込んだ素材のことを「イベント」といいます。
「イベント」の乗っている帯の部分を「トラック」といい、映像を編集するトラックを「ビデオトラック」といいます。
「イベント」はドラッグで移動ができます。
3.素材を編集する
① 静止画
長さを調整
静止画(写真やイラスト)を取り込んだ場合、デフォルトで5秒になります。
たとえば「3秒でいいや」という場合は、末尾にカーソルを合わせ、マウスカーソルが左右の矢印の状態になったら、00:00:03;00までドラッグします。
これで、長さを変えることができます。
タイムラインの素材が短くて操作しにくい場合、マウスホイールか、キーボードの上下の矢印キーで、タイムライン表示を拡大・縮小することができます。
イベントをクリックして選択してから、操作してくださいね。
画面のトリミング
どんな風になるかは、右上の「プレビュー」画面で確認できます。
画像の一部を無くしたい(クロップしたい)、というような場合は、イベント上で右クリックし、「ビデオイベント パン/クロップ」を選びます。
別ウィンドウが開くので、ここで操作します。
周りの白い四角をドラッグして取り込む部分を調整します。
画像の中程にマウスを合わせるとマウスカーソルが十時の矢印になるので、それでドラッグすれば、点線の枠全体を移動できます。
ここで触らない方がいいのが「アスペクト比のロック」です。
ここをオフにして下手にいじると、縦横比がずれて画面に黒い部分が出てしまいますので、ご注意ください。
変更ができましたら、右上の赤い×ボタンでウィンドウを閉じます。
② 映像
映像も同じようにタイムラインへドラッグで取り込みます。
録画された映像には、普通、音声などが入っていますので、この時点で音用の「オーディオトラック」が増えます。
不要な場合には削除したいですが、「映像」と「音」は既定でグループ化されているので、そのままだと映像も一緒に消えてしまいます。
そこで、画面下にある「イベントグループを無視」ボタンをオンにします。
それから、消したい音のイベントをクリックし、DELキーで削除します。
とりあえず音は全部要らないわ、ということであれば、トラックの先頭で右クリック→「トラックの削除」で、トラックまるごと削除できます。もちろん、乗っているイベントは全部消えますので、その点はご注意を。
再生(プレビュー)
プレビュー画面にある、白い三角の「再生」ボタンをクリックするか、スペースキー、またはエンターキーを押すと、カーソル位置から再生され、映像が確認できます。
スペースキーだと、再生を停止した時、開始位置までカーソルが戻ります。
エンターキーだと、再生を停止した位置で、カーソルが止まります。
左右の矢印キーで、コマ送り、コマ戻しができます。
また、プレビューがカクつく場合は、「プレビュー(自動)」を「ドラフト」→「4分の1」にすると軽くなります。プレビューの画質は下がりますが、これはできあがりの映像には関係ありません。
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映像の分割
映像の前後を切り取る方法は静止画と同じです。イベントの端にマウスを合わせてドラッグです。
もし、途中の部分が要らない場合は、イベントを「分割」します。
切りたい部分までカーソルを移動し、Sキーを押します。
右クリック→「分割」でもいけますが、Sキーが早いです。
分割できたら、不要な部分はDELキーで削除します。削除した部分はポッカリ空くので、イベントをドラッグして詰めておきましょう。
再生速度(タイムストレッチ)
再生速度を変えたい場合は、イベントの末尾にカーソルを合わせ、CTRLキーを押しながらドラッグします。
左にドラッグすれば速くなり、右へドラッグすればスロー再生になっていきます。
再生速度を変えたイベントは、このように波線がつくので、見分けがつきます。
画面切り替え効果(トランジション)
イベント同士を重ねていくと、×の線が出てきます。
この部分には自動的に「クロスフェード」という画面切り替え効果がかかります。
先の映像と次の映像が徐々に切り替わる効果です。重なり時間が長いほど、ふんわりと入れ替わります。
もし、クロスフェード以外の効果を設定したい場合は、「トランジション」を使います。
「トランジション」タブを開き、設定したいものを選んだら、×の部分へドラッグします。
これで、効果を変えることができます。
詳細を設定するウィンドウが出たりしますが、とりあえず要らないので閉じてしまいます。
もし、別の効果を使いたい場合は、別の種類のものをあらためて×の部分へドラッグすると、効果を上書きできます。
効果を削除してクロスフェードに戻したい場合は、「トランジションプロパティ」をクリックして、出てきたウィンドウの右上にある、Fxと×のついたボタンをクリックすると削除されます。
フェードイン・フェードアウト
イベントの、一番最初や一番最後にフェードの効果をつけたい場合は、イベントの端にある青い三角のマークにマウスを合わせてドラッグします。
すでにクロスフェードになっている部分では、もちろん操作できません。
③ テキスト(文字)
「タイトルおよびテキスト」からお好きなものをタイムラインへドラッグします。映像とは別トラックにするので、重ねないでください。
別ウィンドウが出るので、ここで文字を編集します。
テキストサンプルを消して、お好きな文字を入力。入力後にフォントやサイズ、色など変えられますが、範囲選択をしてから行ってください。
文字の配置は「位置」で、縁取りは「アウトライン」でできます。
編集後、ウィンドウを閉じます。
上にあるイベントの方が前面に表示されるので、文字のトラックが上になるよう入れ替えます。トラックの先頭をドラッグで入れ替えられます。
もし、また文字を編集したいという場合は、イベントにある「生成されたメディア」をクリックすると先ほどのウィンドウが再度表示されます。
④ BGM
「プロジェクトメディア」の音楽ファイルを「タイムライン」へドラッグします。
自動的に「オーディオトラック」ができあがります。
オーディオイベントの編集方法は、映像と同じです。適宜、フェードイン・アウトなど設定してみてください。
フェードイン、アウトの波形は変更ができます。設定されている部分で右クリックすると、以下のような絵がでるので、設定、再生して聞き比べて、しっくりくるものを選んでみてください。
もし、再生した時プレビューの右端が緑ではなく赤くなっている場合は「音が大きい」ということなので、ボリュームを下げましょう。
4.動画の書き出し(レンダリング)
いよいよ最後です。動画ファイルとして書き出します。「レンダリング」といいます。
「ファイル」メニュー→「名前を付けてレンダリング」をクリックします。
ちょっと気をつけたいのが、「レンダリングオプション」にある「ループリージョンのみレンダリング」です。
ここにチェックがついている場合、ループリージョンで指定した部分しか書き出しません。「ループリージョン」は以下の黄色い三角です。
たぶん既定でここにチェックが入っていると思いますので、あらかじめループリージョンをドラッグして、先頭から末尾まで含まれるようにしてから、レンダリングをしたほうが無難です。
YouTubeにアップしたり、パソコンで再生すると想定して、「MAGIX AVC/AAC MP4」「インターネット HD 1080p 29.97 fps」を選びます。
保存場所を指定して、「レンダリング」をクリック。
「プロジェクトの場所」のボタンでプロジェクトと同じ保存先になります。自分で「参照」で保存先を延々探さなくてもクリック一発で指定できる! これ、一番感動したかも(笑)
レンダリングが終われば、これで全部終了。MP4形式の動画ファイルが出来上がっているはずです。
さいごに
VegasPro15の時にも書きましたが、個人的に思っている「失敗しないコツ」を。
・むやみに初期設定を変えない
大抵は、PCのほうで勝手に色々やってくれるはずです
・分からないコマンドはいじらない
触らぬ神に祟りなしです
・できないことはあきらめる
初メガホンでハリウッド超大作は作れません
VEGASPro、一見とっつきにくそうに見えるかもしれませんが、アイコンなど、マウスを合わせるとたいてい説明が出るので、直感で操作してもそう難しくないかな、と思います。
もともとプロユースなので、ゆくゆく「もっとアレコレやりたい」「凝った動画にしたい」という欲が出てきても対応できるのが、このソフトの良い所だと思います。
なお、VEGAS Pro 17の動作環境は以下の通りです。
VEGASPro17の新機能
【追記】2020年3月より「VEGAS POST(日本語版)」が発売されました。
「VEGAS PRO17」に加え、視覚効果(VFX)・モーショングラフィックス編集ソフト「VEGAS Effects」、画像合成ソフト「VEGAS Image」がセットになった商品です。
ソースネクストでは定期的にセールが行われています。もし、機を逸してしまったという場合は、同社サイトのマイページで「気になるかも」リストに入れておくと、セールの時にメールでお知らせが届くので便利です。
それでは、今回はこのへんで。
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